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人生・生き方
第12話|『向いてない』と思っていた自分が、実は向いていたこと」
若いころの僕は、 自分のことを「人との関わりが下手な、間の抜けたやつ」だと思っていた。 大きな対人トラブルがいくつかあって、 その記憶が、ずっと胸の奥に残っていた。 だから、 「自分は対人関係に向いていない」 そう、半ば決めつけるようにして生... -
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第11話|役割を与えられて、ようやく呼吸ができた
実家のある地に戻ってきたのは、 子どもが生まれたことが大きかった。 妻の強い希望もあった。 僕自身も、両親のことが心配だった。 正直に言えば、海のそばの町を離れることには、未練があった。 でも、家族の意向を無視することはできなかった。 引っ越... -
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第10話|海のそばの町で、人生がひらいた
振り返ると、 あの地での時間は、 「うまくやれた」人生ではなかった。 人間関係でつまずいた。 怒鳴ってしまったこともある。 取り返しのつかない後悔もあった。 教師として、 未熟で、不器用で、 自分の感情を持て余す場面も少なくなかった。 それでも——... -
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第9話|海のそばの学校で、ひとり踏ん張っていた頃
教員になれば、 何かが一気に変わると思っていた。 教師という肩書きを手に入れれば、 迷いは終わり、 自分の立ち位置も、役割も、 自然と見えてくるのだと。 でも、現実は違った。 初任の地は、県内の遠方。 海の近くで、自然豊かな場所だった。 釣りが趣... -
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第8話|それでも、もう一度 教師を目指した
二十八歳で受けた教員採用試験は、不合格だった。 一次試験は通ったけれど、二次試験で落ちた。 今思えば理由は明確だ。 「絵本を読んでください」と言われて、 僕は、ただ自分に向かって本を読んでいた。 読み聞かせ、という意味が分からなかった。 子ど... -
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第7話|空白の中で、僕は働き始めた
大学を卒業した朝、 僕の頭の中は、空白だった。 何かをやり切った感覚も、 胸を張れる実績も、 次に進むための確かな自信もなかった。 教員採用試験は不合格。 それも、予想通りの結果だった。 大学4年間、 真剣に自分と向き合わなかった。 そのツケが、 ... -
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第6話|うまく生きられなかった4年間
大学に入学したとき、 正直、うれしかった。 教師への道が、 現実的になったこと。 受験を乗り越えたという感覚。 そして、 彼女の近くで暮らせること。 一人暮らしも始まった。 祖父母や母が、引っ越しを手伝ってくれた。 今はもう天国にいる祖父母の顔を... -
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第5話|何者でもない時間が、僕を前に進めた
サッカーから、静かに離れた。 卒業するまで、戻ることはなかった。 逃げた、という感覚はなかった。 でも、胸を張って前に進んでいる感じでもなかった。 何かを失ったまま、 ぽっかり空いた場所を、 そのまま抱えているような感覚。 おぼろげに、 何もな... -
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第4話|一度、立ち止まるしかなかった
悔しかった。 本当に、悔しかった。 サッカー部から離れたとき、 頭の中はぐちゃぐちゃで、 自分が何をしているのか、 正直、よく分かっていなかった。 ただ、 このままではいられない、 それだけは、はっきりしていた。 きっかけは、 高2のある日の、部室... -
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第3話|努力しても、届かない場所があった
高校受験の勉強は、正直、楽しかった。 特に数学が好きだった。 図形、文章問題、証明。 考えれば考えるほど、少しずつ形が見えてくる。 夜中の12時を過ぎることもあった。 今なら絶対にやらない。 疲れて翌日に響くし、 分からなければ答えを見て、やり方...