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20年近くやってきて、見え方が変わったこと

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教師として現場に立って、20年近くになる。

振り返ってみると、同じ仕事をしてきたはずなのに、 いまの自分が見ている景色は、若い頃とはまるで違う。

若い頃の僕は、 とにかく一人で何とかしようとしていた。

目の前の子どもに必死で向き合い、失敗しては落ち込み うまくいかない原因を自分の中に探し続けていた。

努力が足りないのか。 力量がないのか。

人として未熟なのか。

そんな問いばかりを抱えながら、がむしゃらに動いていたと思う。

今思えば、あの頃の僕の視点は、とても近かった。

目の前の出来事、目の前の人間関係、目の前の評価。

世界は狭く、自分の肩にすべてを背負い込んでいた。

見え方が変わってきたのは、40代の中盤に差しかかった頃だった。

主任や課長といった役割を任され、 個人として動くだけでは立ち行かなくなった。

そのとき、初めて気づいた。

自分が頑張ることと、現場がよくなることは、必ずしも一致しない。

大切なのは、誰が、どこで、どんな役割を担うのか。

何を共有し、どこで判断を揃えるのか。

個人の力量ではなく、チームとしての構造や流れが、現場の安定を左右する。

視点が、「自分」から「チーム」へ、そして「組織」へと、少しずつ変化していった。

同時に、子どもを見る視点も変わってきた。

以前は、 目の前の問題行動や困り感に、どう対応するかばかりを考えていた。

いまは、 その子がこの先、どう自立していくのか。

どんな支援が、長い目で見て必要なのか。

子どもの自立という視点が、はっきりと軸になってきた。

仮説を立て、実践し、振り返り、チームで共有し、また検証する。

いわゆるPDCAを回すということが、頭の中だけでなく、現場の感覚として馴染んできた。

それができるようになったのは、知識が増えたからだけではない。

息子が生まれ、守るべき存在ができたこと。

親が年老い、支える側に立つ時間が増えたこと。

自分の人生そのものが、「自分のため」から「他者や社会との関係の中でどう在るか」へと 自然にシフトしていった。

だから今、主任という立場が、とても自分に合っていると感じている。

現場にも立ち、同時にチームを支える。

前に出すぎず、引きすぎず、全体を見渡しながら舵を取る。

若い頃のような勢いはない。体力も落ちた。

迷いも相変わらずある。

それでも、価値に根ざして働けているという実感がある。

独力でもがいていた頃の自分には、 想像もできなかった感覚だ。

もし、いま迷っている若い人がいるなら、無理に答えを出さなくていいと伝えたい。

視点は、役割や経験とともに、必ず変わっていく。

失敗や挫折も、 遠回りも、ちゃんと意味を持って積み重なっていく。

僕は今日も、 完全な答えを持たないまま、現場に立っている。

でも、見え方は、確かに変わった。

それだけは、胸を張って言える。

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